最近、葉酸の妊婦への影響が注目されています。
理由は、妊娠初期の12週までに必要な葉酸を摂取していないと、胎児の先天性神経管閉鎖障害の発症率が高くなってしまうことが判ってきたからです。
妊娠初期において胎児に起こる異常に、二分脊椎、脊椎髄膜瘤、無脳症などの神経管閉鎖障害がありますが、葉酸不足はこれらの障害や、さらには口蓋裂・低出生体重児の原因になるといわれています。また、母体への影響としては、貧血・流早産・常位胎盤早期剥離・妊娠高血圧症候群を起こすこともあります。
葉酸は体内に蓄えられる量が少ないため、妊娠して血液がたくさん必要になった場合、すぐに葉酸不足になってしまい、妊娠初期の悪阻(つわり)などで食事ができない場合は、特に不足しがちになりますので注意が必要です。 |
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妊娠する1ヶ月以上前から妊娠3ヵ月までの間、葉酸を始めその他のビタミンなどを多く含む栄養のバランスがとれた食事を摂ることが大切です。
ただ、葉酸は熱に弱く水溶性のため、食事だけでは十分な量を摂取することができません。そこで、栄養補助食品(サプリメント)から摂取することを厚生労働省も勧めているのです。
ただし、サプリメントによる過剰摂取は避け、葉酸の総量が一日当たり1mgを超えないように、0.4mg/1日を目安に摂りましょう。
葉酸を摂るだけで、100%妊娠中の異常を予防できるわけではありませんが、発症の危険性を50〜70%減少できる可能性があります。特にお子様が欲しいと考えていらっしゃる方は、妊娠する前から心掛けて下さい。 |